〈脳と文明〉の暗号: 言語と音楽、驚異の起源(マーク・チャンギージー)の書評・感想☆5/5

 言語と秘密の謎が解き明かされる様は圧巻。とても深い考察に驚かされる。 

 

 

 

79読む能力は本能であるはずがない。文字は数千年前に発明されたばかりだ
129文字のほうが脳の仕組みに合わせて作られた
322本来の働きをよりよく果たすために脳の高いレベルでは自然らしさが表れていない
369人間の話し言葉は個体の物理現象と音が似ている
381音楽は人間の自然な動作に伴う音に似ている
667私たちが耳にする出来事のほとんどは、たった3つの構成要素で成り立っている すなわち”ぶつかる””すべる””鳴る”
736人間の言語に含まれる主な3つの音素は自然界の3種類の音素とそっくりである
1021ぶつかるは2種類 幅広い周波数を一気に出現 幅広い周波数をかなり急に抑え込む
1126ぶつかるから鳴るまでの時間差には物体に対する大事な情報が含まれている
1139硬い見かけの文字が有声音、込み入った形の文字が無静音を表しているという可能性はないだろうか
1164硬い物体が音を沈めにくいのと同じように、語末にある破裂音はその直前の共鳴音をうまく止められず共鳴音がやや長く続くのではないか
1243母音が語頭にある場合声門破裂音を使っている
1279韻を踏む単語が出てくると、同じ物体の音だと感じる
1322最初にぶつかった直後の成る音が一番大きい
1410音の高低は聞き手に近づいてくる速度に関わっている 列車の警笛の音が初めは高く聞こえ、通過後は低く聞こえる
1422ごく普通の連続的な事象はたいがいこのように「音高が下降していく」 だから、話し言葉が文の終わりに近づいた時にもイントネーションを下げる
1434音が大きくなりながら音高は変わらない場合、衝突の瞬間が迫っている証拠なのだ  ある意味では、音量が大きくなるより音高が上がるほうが重大な問題といえる
2128音楽があらわすものは感情豊かな動作音
2482和音とは歩行時に生じる様々な音の高低の組み合わせ
3081音量の変化は聞き手の空間へなだれ込んでくる感じを音楽にもたらしている